自分でビジネスを始めるのと、株式投資のどっちが儲かるか?
自分のビジネスをスタートするのと、株式投資、これを比較してみます。
この比較を読めば、どうして自分のビジネスの方が儲かる、と言えるのか考え始める第一歩になると思います。
この思考回路さえでき上ればどんなビジネスでも勝てると思います。この思考回路こそがビジネスの本質、だからです。
簡単に自己紹介しますと、
大手金融機関のサラリーマンをへて、ベンチャー企業の創業に共同代表として参画、ベンチャーの上場後に退任し複数のベンチャーの経営をサポートしながら投資も行っています。
私は金融機関の内側も外側からも知っている
ベンチャーも経験している、
その両方の経験を伝えられる、数少ない人間だと思っています。
そんな経験からお話してみたいと思います。
先に株式投資、いわゆる上場株式に投資を行う場合からお話します。
証券会社に口座を開設すればすぐに始められます。
それでは上場株とはどういうものなのでしょうか?
東京証券取引所に上場している株式価値の合計は735兆円!です。
そのうちの70%が海外の機関投資家、15%が日本の個人投資家です。
(機関投資家とは投資信託などファンドのお金、と考えればいいと思います。)
証券市場は今や世界で一体化していて、ある会社から将来性があると思えば世界中から投資家がやってくるのです。
言ってみれば大リーガー、日本のプロ野球、日本の高校野球、そして野球を始めた人、
これらが一緒に競い合っている市場です。
私はベンチャーを経営している時代、機関投資家とのミーティングでニューヨーク、ロンドンなど様々なところでミーティングをした経験からよく知っています。
彼らは専門の調査スタッフを抱え、証券会社からレポートを購入し、AIプログラムを駆使して売買しています。一人で数十億円〜数百億円の運用をするなど資金量も巨大です。
結論から言えば、ビジネス初心者が海外の機関投資家と同じ土俵で戦ったら勝てないと考えています。なぜなら機関投資家と個人では情報量と資金量が圧倒的に違います。
もう1点あります。
皆さんは株式投資の存在を宣伝や雑誌で知ったはずです。
株式投資の関連ビジネスは巨大ですので多額の広告宣伝費が投下されています。
株式投資がこんなに儲かる、という内容です。そういった記事も溢れています。
つまり株式投資は誰かの作った、誰かの利益のための商品でもあるのです。
金融機関にいたとき、こちらの進める商品を個人のお客様が勝って頂けるのをみて驚きました。それって多額の広告費のうえに成り立つ一種のブランドビジネスだ、と気づきました。
そんなこともあり
私は、上場株投資はほとんどやってきませんでした。
株式投資を行うには事前の学習・調査に膨大な時間がかかると判断し、ベンチャーの経営にフォーカスしました。なぜってその方が明らかに儲けが大きいですから。
次に自分でビジネスをスタートする場合を考えてみましょう。
自分でビジネスを始めたとします。スタート時点のビジネスの大きさ、内容はこれでなければいけない、と決めつける必要はありません。
むしろ一つにこだわらずお客様の良い反応がでるビジネスを見つけるまでどんどん変化させていきます。
儲かるビジネスはお客が教えてくれます。そこにフォーカスすれば利益率の高いビジネスになっていくのです。
さらにそうやって作られた自分のビジネスは本質的には競争はほとんどなくなっています。
自分のビジネスは、「お客様×商品×自分自身」で構成されています。特にスタート時点の規模が小さい間は自分のキャラクターや能力の占める割合が大きいです。
ですから他の人と同じ土俵にはなりようがないのです。競争がなければ利益率は高くなります。
競争の激しくない自分のビジネスに自分のお金と時間を投資したとします、儲からないはずがありません。
段階的に大きくしていけますからリスクもコントロール可能です。
但し一つ条件があります。世間の常識や自分の持っている偏見をいったん横において、お客の反応に向き合うことです。
私はこの偏見を捨てることができず、たいへん遠回りしました。
私は大手企業向けのビジネスが偉い、
サービス業より製造業の方が偉い、
社員数の多いビジネスほど偉い、
という刷り込まれた常識を持っていました。
要はカッコいいビジネスを求めてしまったのです。
今から思うとたくさんのビジネスチャンスを見逃してきたことか、悔やんでも悔やみきれません。
カッコだけを求めてしまうと、大手との競合もあったりと競争の厳しいレッドオーシャン市場だったりします。
(レッドオーシャンとは参加者が血を流しながら戦っている市場のことです)
ビジネスをやる目的は自分を満足させることではありません。
ビジネスをやる目的はお客様を満足させること、の一点です。
読んで頂いている皆さんの疑問はそんな儲かるビジネスがあれば直ぐに始めるよ、と思っていると思います。
ここで先ほどの公式(?)に戻りましょう。
自分のビジネス=「お客様×商品×自分自身」です。
もう一度説明すると、実は商品が同じでもお客様と自分が違ったら他人とは違うビジネスになるということです。
街のコンビニと海のビーチで売っている同じアイスクリームは同じ価値でしょうか?
有名な美容師と新人の美容師の、同じ髪を切るのは同じ価値でしょうか?
自分のビジネス=「お客様×商品×自分自身」のうち何かが違えば別のビジネスになるということです。
自分がやれば何が儲かるか、はお客様が教えてくれます。
やるべきはお客様から教えて頂ける環境を作ること、そしてそれに従って変化していくこと、なのです。
株式投資との比較でいえば自分のビジネスの儲けの秘密を宣伝する人はいません。
特にビジネスを始めたばかりのタイミングでは金額が小さくマスコミも興味を持たないのが普通です。小さなビジネスを始めたら儲かって、という本当の話は表にはでてきません。
(売上や社員獲得のため宣伝はしますが、本当の儲けの秘密は言っていないと思います。)
まとめます、
株式投資は誰でも参入できる、競争が厳しい、宣伝されよく知られている
自分のビジネスは自分しかできない、競争がない、宣伝されていないので知られていない
株式投資と違って自分でビジネスをやった方がチャンスは大きいかも、と思っていただけたでしょうか?
私は多くのベンチャー経営者から話を聞くことでビジネスにはチャンスがある、という思いを確信に変えていきました。
先輩経営者もみな聞くこと、考えること、行動すること、を繰り返しています。
知り合いのゲーム会社の創業者は大学生時代から先輩経営者へのインタビューを趣味(!)にしていました。
B2Bのマーケットプレイスで上場したオーナーは日本経済新聞の「私の履歴書」を読むのが趣味だと言っていました。
あるコンサルティング会社の社長は自分がリストラされたとき、在籍していたコンサルティング会社の社長にビジネスなら何が儲かるか?と聞いたそうです。リストラ後言わとおり始めた、と語っていました。
誰でもできるとは言いませんが私の場合は
今もたくさんのベンチャーのピッチを聞いています。世の中の変化を知りたいのと、何もなかった0→1の時代を忘れないため、でもあります。
今はSNSがあります、Twitterやブログを通じて個人の声を直接感じられます。
人は何を望んでいるか、自分は何ができるか、コストゼロで確かめることができる時代にいます。
要は行動しないと何もわからない、行動始めれば学びが必ずある、ということだと思います。
私もこの原則に従って日々考え、行動しています。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。