青山 治樹 のブログ

ベンチャーの勝ちパターンを使って個人から豊かになる!

自分のビジネスを理解するためのツール、ビジネスモデル

 

今回はビジネスモデルの話をしたいと思います。

 

 

私は自分で会社を経営、それ以外にもベンチャー企業投資、不動産投資などを行ってきました。おかげ様で年間200以上のベンチャー企業のプレゼンをお聞きする恵まれた立場にもおります。

 

お会いするベンチャー経営者の事業計画の相談にのることも多いです。正直な話ベンチャー経営者からは驚かれます。私と話をしていると一直線にビジネスを理解して本質的な議論ができるからです。

 

ベンチャー経営者は数多くのプレゼンをしますが、実は投資家、顧客、あるいは社内でも、ビジネスを理解して貰えないことも多いのです。特に新規性のあるベンチャーの場合さらに理解されにくくなります。

 

ではなぜそんなことが可能なのでしょうか?

 

その秘密は「ビジネスモデル」というツールを徹底的に使っているからです。

 

私は年間200以上のベンチャーのプレゼンをお聞きします。その過程でどうビジネスモデルというツールを使えばいいかが明確になりました。それと同時にビジネスモデルをあまり効果的とは言えない使い方をしているケースが多いことに気づきました。

 

今回はビジネスモデルというツールを効果的に使う方法をお話ししたいと思います。

 

これを使えば自分のビジネス、競合のビジネスを深く理解することができます。もっと言えば自分とは業種の違うビジネスからも学びを得ることができます。

 

つまりは顧客やパートナー獲得に困ることはないでしょう。

更にビジネスモデルにレバレッジを効かせることも可能です。

 

 

それではツールとしてのビジネスモデルの話をします。

 

ビジネスモデルで一番大切なことは「ビジネスが、何のメリットを提供している、または何の悩みを解決している」かに注目することです。

大切なことは何の価値提供と課題解決をしているのか、ということだけです。

 

当たり前なことを言っていて、“はあ?“と思ったかもしれません。

 

ビジネスの現場ではそれが当たり前でないのです。

 

信じられないかもしれませんが、自分のビジネスが何の価値提供と課題解決をしているか、表面的にしか理解していない経営者がたくさんいます。

 

お魚屋さんは何を提供しているのでしょうか?

魚を売ること、なのですが魚を買うことは何の価値提供・課題解決なのでしょうか?

 

美味しいものを味わいたい、栄養を得るため、お土産にする、健康のため、今ならインスタ映え、当然幾つもの答えあります。

 

この表面的に提供しているものに留まっていてはもったいないです。ここをどれだけ掘り下げられるか?なのです。

 

魚を提供すると同時に季節にあった料理の情報をお伝えしているかもしれません。

そうすることで奥様の献立を考えるのがたいへん、という悩みを解決できます。

 

あるいはスポーツマンにプロテインの代わりになる、たんぱく質が多く脂質の少ない調理済みのイカ、を販売することも考えられます。

そうすることでスポーツマンの食事制限に簡単に変化を与えられるかもしれません。

 

何を提供しているか?を深く分析・理解することが利益率拡大の最大の鍵だと思うのです。

 

私は様々なベンチャーの経営に関わってきました。その中にはビジネスとしてうまくテイクオフできなかったものがあります。(というかその方が多かったです。)

 

ストリーミングサービスの立ち上げのとき、テクノロジーを使って配信スピードを上げることにフォーカスしました。YouTube登場以前のことです。使ったテクノロジーは素晴らしく、ネット環境がそれほど良くなくても使えました。

 

しかし、コンテンツが今一つだったのです。質と量がかなり良いアーカイブを頑張って揃えていました。権利関係から新着コンテンツが少なくなってしまいました。

 

今になって思うのはユーザーの「最新のコンテンツを見て、親しい人と共有したい」という要望にきちっと応えていませんでした。ユーザーは面白いコンテンツでも友人と共有しにくいアーカイブには興味を持って貰えないのです。

 

我々は良いテクノロジーから入っていきました。

一方どういうコンテンツが重要か?コンテンツを使ってユーザーは何を楽しんでいるか?

ここの分析がいま一つだったのです。

 

韓流ドラマのファンはドラマのアーカイブに喜んで頂けました。しかしそれ以外のユーザーさんの獲得はうまくいかず撤退することになりました。

 

ビジネスモデルに話を戻します。

 

ビジネスモデルの分析の鍵は「①価値提供と課題解決」だと話をしました。

これ以外には

②顧客は誰か、

③どうやって提供するか、

の要素で構成されています。

 

我々はどうしいても“③どうやって提供するか?“に注目してしまいます。それでは目的と手段を取り違えています。手段から入るのはその方が目に見えやすいから、です。

 

ビジネスの目的=価値提供と課題解決、をどこまで掘り下げられるか?

ここに注目することでいいビジネスができあがっていくと思います。そしてここが定まると、②顧客は誰か、その顧客には③どうやって提供するか、の順番で定まっていきます。

 

抽象的な話が続きましたので、少し具体的に考えてみたいと思います。

 

よく例えに出す𠮷野家の話をします。𠮷野家のキャッチフレーズ「はやい、やすい、うまい」のはやい、に注目してみたいと思います。

 

𠮷野家のカウンターに座って注文、牛丼を食べて会計をするまで多分10分かからないと思います。

「はやい」の持つ価値は何か?𠮷野家は「食事を短時間に済ます、という価値提供」を行っています。「食事を済ます」をより一段階掘り下がっています。

 

 

食事を済ませる

食事を短時間に済ませる

食事を短時間に済ませて、ビジネスをはやくスタートできる

食事を短時間に済ませて、ビジネスを早くスタートできて、収入が増える

食事を短時間に済ませて、ビジネスを早くスタートして収入増、家族と旅行ができる、

 

これを突き詰めていくと、人間の欲求は健康・生命、将来・夢、家族・友人、お金、などに集約されてしまいます。

 

ビジネスの相手は必ず人間です。

すべてのビジネスは人間の欲求とつながっています。

自分のビジネスの価値提供と課題解決と人間の欲求までの経路をどれだけクリアに把握できるか、がビジネスモデルを考える上での鍵と言い換えられます。

 

まずは自分のビジネスがどんな価値提供か課題解決をしているのか、それは最終的にどういう経路で人間の欲求にぶち当たっているか、を考えてみることだと思うのです。

考えるというより顧客に教えもらう、と言った方がいいかもしれません。

 

なぜならお客様が商品・サービスを買う理由はお客様の心のなかにしかないからです。これは逆に自分で商品を買う場合を想像してみればわかると思います。

 

新しい洋服を買ったのは、おしゃれをして彼氏彼女に素敵、と思って貰いたいから、かもしれません。

ビジネス書を買ったのは、ビジネスの課題を解決→売上増、最終的には所得を増やしたいから、かもしれません。

ブランド品を買う本音は、アイコン化して目立ちたい、からかもしれません。

 

私は大企業からベンチャーまで様々な会社のビジネスモデルを見てきました。

 

経営者が自社商品の提供・解決している最終的なものをきちっと説明できる会社は業績好調だし、成長性が高い、と実感しています。

 

私はお会いする経営者とビジネスモデルの「価値提供と課題解決」を掘り下げてみるという作業を毎日繰り返しています。

今も自分のビジネスでも顧客の価値提供と課題解決は何か?を考え続け、そして文字化しています。

価値提供・課題解決という視点からの思考の繰り返しが重要と信じています。

 

皆さんがビジネスの初期段階からこれを意識してビジネスモデルを組み立てて貰えば、素晴らしいビジネスができあがると思います。

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。