青山 治樹 のブログ

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「ムーアの法則」が教えてくれるビジネスの必勝パターン

ムーアの法則」が教えてくれるビジネスの必勝パターン

 

半導体はテクノロジーによって指数関数的にコストが下がるから、です。

長期的な視点でビジネスを考えることの大切さを教えてくれています。

 

ムーアの法則を簡単に説明します。

1965年に後のインテルの創業者であるゴードン・ムーア氏によって提唱されました。

半導体トランジスタ数は2年ごとに倍になる」、

ざっくり言えば2年毎に性能は倍になる、あるいはコストは1/2になる、

と考えて貰えばいいと思います。

 

これがビジネスとテクノロジーの関係を一言で説明しているのです。

 

その前に自己紹介です。

私は金融機関をへてテクノロジー系企業の共同創業にかかわり、その前後でベンチャー投資に関わってきました。

投資した日米のベンチャーには半導体専用のソフトウェア、半導体の製造装置なども含まれています。

 

ムーアの法則インテルを始めとする半導体産業の繁栄のシンボルであり、シリコンバレーを中心とするハイテク文化の精神的支柱といっていいと思います。

 

ご存じだと思いますがシリコンバレーとは米国サンフランシスコ近郊のハイテク企業が立地しているエリアのことです。IntelGoogleFacebook、みなこのエリアにあります。スタンフォード大学を中心として優秀なエンジニアが集まっています。

雨の少ない気候のよい所です。私も訪問時、雨に降られた記憶は一度もありません。

 

話を戻します、

それではなぜムーアの法則を理解することは勝てるビジネスモデルを作る点から最重要です。一つひとつみていきましょう。

 

2年毎に倍になると半導体の性能は劇的に増加します。

2年後には2倍、5年後5.66倍、10年後32倍、20年後1,024倍、50年後33,554,432倍

となります。

性能の向上=コストの削減ですので50年前の半導体の1/33,554,432の価格になったということです。

 

スマートフォンを例に説明しましょう。

スマートフォンはコンピュータと同じ機能で、その心臓は半導体です。

スマートフォン半導体の価格を3万円とすれば50年前同じ性能のコンピュータはその33,554,432倍ですからその価格は1兆円!ということになります。

 

現代では50年前には1兆円したコンピュータを普通の人が持参しているのです。

 

技術的な説明をしておきます。(興味のない人は飛ばして結構です)

 

半導体の性能は搭載されているトランジスタの数によって決まります。

たとえば消しゴム大の大きさに1,000個のトランジスタが搭載されているとします。

これが2年後には同じ面積で2,000個入ることになります。.

そうなると例えば半導体を2個使っていたコンピュータが半導体1個で製作できるようになります。

 

技術的には半導体の設計ルールを微細化していくことでこれを実現しています。

例えるならばノートに書く字の大きさを1/2にします。

1/2の文字を使えば同じ情報を書くのに必要なノートの量とコストが半分になる、

とイメージできます。

 

 

半導体のテクノロジーから話を戻します。

 

シリコンバレーの歴史は半導体の歴史でもあります。

シリコンバレーではムーアの法則が信奉されています。

この技術への信頼が新しいビジネスの土台となって新しいビジネスが生まれる循環が回っています。最近で言えばUber、Tesraなど続々誕生しています。

 

半導体の価格が下がる→半導体を使ったコンピュータの価格が下がる

→コンピュータを使ったビジネスのコストが下がる

という循環が働くのです。

 

これが冒頭にいった指数関数的にコストが下がる理由です。

指数関数的グラフはいわゆる放物線ですね。投げた石は加速度的に落下しています。

落下する石からイメージできるといいのですが、加速度的に早くなり大きな破壊力を持つことになります。

 

注意が必要な点が2点あります。

 

つまり影響はテクノロジーを使う領域にも広がるのです。

半導体の最初のアプリケーションは電卓と呼ばれたものでした。

スマホの普及で数年後には姿を消すのかもしれませんが、、、)

 

  • ビジネスにおいてな長期的な変化は見過ごされがちです。

 

ビジネスのサイクルは通常1年、長くて3年です。

一方指数関数的効果は5年、10年と長期になるにしたがってその効果が加速度的に拡大します。

 

今から35年前IBMはパーソナルコンピュータが売れるのは世界で数十台と予測したと言われています。半導体の専門家であったIBMは指数関数的価格下落と家庭用PCの需要拡大を予測することに失敗しました。

 

それではビジネスにおいて指数関数的な利益を獲得することが可能でしょうか?

この予測に勝って主導権を握ったマイクロソフトと同じ立ち位置につく、というのが模範解答でしょう。

 

もう少し掘り下げてみたいと思います。

マイクロソフト半導体の下落と逆さまの向きで指数関数的に利益が増えていきます。

マイクロソフトの製品は数が増えても製造コストはほとんど変わりません。

彼らのソフトウェアの販売による利益は先ほどの指数関数的下落の逆さま、指数関数的増加が実現するのです。

 

 

 

ビル・ゲイツマイクロソフトを設立してIBMと契約するまで10年近くのいわば下積み期間がありました。

ビル・ゲイツにはパーソナルコンピュータが誰にでも使う時代が来る、というビジョンがあったのです。

マイクロソフト=極小のコンピュータソフトという社名からも明らかだと思います。

 

ムーアの法則に従えば個人がコンピュータを使うことはビル・ゲイツにとっては必然だったのです。

ビル・ゲイツムーアの法則にそなえて10年前から準備をしていたのです。

 

残念ながら多くの人間はビジネスを短期的な視点でしかみていない、

長期的に考えられない、

という限界を抱えているのでしょう。

これは人類が洞窟に住んでいた時代の名残りだと思います。

今日のご飯がなければ長期には考えられません。

短期的に考え、短期的にだけ行動するのが理に適っています。

 

ムーアの法則半導体だけのものではありません。

 

半導体、コンピュータではムーアの法則は50年にわたって有効でした。

これから50年も有効だと思います。

半導体、コンピュータの世界のことは誰にでも影響します。

テクノロジーに影響を受けないビジネスはありません。

 

ビジネスを長期的な視点で考え、今から短期的に行動を開始する、

これがムーアの法則の教えてくれることです。

 

 

 

 

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ムーアの法則